口臭の原因と対策
口臭のいろいろ
健康な人でも、吐く息に多少の臭いはあるもので、これを生理的口臭といいますが、他人に不快感を与える異常な臭いを病的口臭といいます。
病的口臭があっても、他人に指摘されるまで気付かないでいる人も少なくありません。
逆に、他人に指摘されるような病的口臭はないのに、不快な口臭があると自分でかってに思いこんでいるばかりではなく、実際に自分でにおうという人もいます。自臭症といいますが、口臭に対する気持ちのうえのこだわりをもっているなどの情神的な原因でおこることから、神経性口臭または心囚性口臭ともいいます。
他人にもわかる病的口臭には、口の中に原因があっておこるものと、口の中以外に原因があっておこるものとがあります。
口のなかに原因のある口臭
歯磨きが不適切など、口の中のお手入れが悪いと歯などには垢や歯石がたまり、口臭の原因となります。特に、歯に破損した部分があると歯磨きが行き届かず、歯垢や物石がたまりやすくなってしまいます。また、虫歯、歯槽膿漏、歯髄炎、歯根膜炎といった歯や歯肉の病気のほか、口内炎など口腔粘膜の病気があると口臭がおこる場合もあります。
そのほか、舌苔が厚くなると、そこに食べ物の細かい残りカスや口の中の滲出物などが付着し口臭の原因となることがあります。口のなかとは限らず、原因があまり明確でない口臭を特発性口臭といいますが、口臭のなかでもっとも頻度が高く発生します。
口のなか以外に原因のあるロ具
口のなか以外に原因があっておこる病的口臭を病候性口臭といいます。原因としては次のようなものがあります。
- 鼻、のどの病気
- 症候性口臭のなかでもっとも頻度が高く、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性咽頭炎などが原因となります。
- 消化器の病気
- 食道狄窄、慢性胃炎、食道や胃のガンなどが原因となります。
また、肝臓病のときには、すえたような特有のロ臭がおこることがあります。 - 気管支、肺の病気
- 慢性気管支炎その他のタンのたまりやすい病気が口臭をおこしがちです。
- 全身的な病気
- 糖尿病になると、すえたような特有のロ臭がおこることがあります。そのほか、高熱が出たときにも、ロ臭がおこりがちです。
- 食品、嗜好品
- チーズ、玉ネギ、にんにく、ニラその他、臭いの強い食品を食べた後や、飲酒、喫煙によっても口臭がおこります。
- 薬剤
- 総合胃腸薬など、常用している薬が原因になっていることがあります。
口臭の治療と対策
病気があれば、それぞれの専門家を受診して病気を治療することが先決です。
歯垢や歯石、とくに多量にたまった歯は、歯磨きだけでは除去することが出来ません。このようなことが原因の口臭は、歯科医院を受診して除去してもらうことが必要です。
口臭の原因が二つ以上あるときは、もっとも可能性が高いと考えられる原因から治していくとよいでしよう。
一時的にロ臭を軽減するには、まず、歯をよく磨いてから、葉緑素材、2%重曹水、0.1%過マンガン酸カリ液、2~3%過酸化水素水のどれかでうがいをするか、芳香性のあるうがい薬でうがいをすると効果があります。
また、芳香性のあるロ内錠やロ臭除去薬を口に含むのもよいでしよう。
臭いの強い食品や嗜好品をとったあとは、熱いお湯でうがいをしたり、歯を磨いたあとうがい薬でうがいをすると効果があります。
ロ臭の予防
口臭は、ロのなかに原因があることが多いため、常にロのなかを清潔にしておくことを心がけることが大切です。
毎食後、丁寧に歯を磨くようにすると、歯垢や歯石が付着・沈着するのを防げるだけでなく、虫歯や歯購膿漏などの歯や歯肉の病気の予防にもなります。