歯槽膿漏(慢性辺縁性歯周組織炎、歯周疾患、歯周病)1

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歯槽膿漏1

歯槽膿漏(慢性辺縁性歯周組織炎、歯周疾患、歯周病)1

どんな病気か(最近は若年者にも増えている疾患)

歯槽膿漏とは慣用語で、正しくは慢性辺縁性歯周組織炎といいますが、歯周疾患、あるいは歯周病と呼ぶこともあります。歯槽膿漏は、歯を支えている歯周組織が徐々に壊され、歯がグラグラしてきて、最終的には歯が抜けてしまう病気です。

病気になりやすい人

歯槽膿漏になる人は非常に多く、人種や男女の区別なく発生します。年齢と密接な関連があることは世界各国の統計からも明らかで、日本の場合でも30歳代で60%、40歳代で70%、50歳代で80%の人が歯槽膿漏にかかっているというように、加齢とともに発生率が高くなり、更年期以降に歯を失う主な原因となっています。また、若年層には比較的少ない病気だったのですが、近年では若い人たちにも増えている傾向にあるといわれています。これは、現代の食生活や社会環境が歯槽膿漏になりやすいためとも考えられ、その意味で歯槽膿漏は一種の文明病といわれます。しかも、若年者の歯槽膿漏は進行が早く、すぐに治療を開始しないと若くして総入れ歯ということにもなりかねません。

原因(歯垢による歯肉の炎症が原因)

歯槽膿漏は、まず歯肉炎の症状から始まります。口の中を不潔にしておくと、歯に歯垢が大量に付着し、そこに増殖した細菌から出される毒素や酵素の刺激で歯肉に炎症がおこります。健康な歯肉には、細菌などの刺激に対する抵抗力があるので多少の歯垢が付着した程度では普通は炎症はおこらないのですが、繊維(セルロース)が少なく、やわらかく、口の中を清潔にする自浄作用の少ない現代食は歯垢が溜まりやすいといわれています。特に歯並びが悪かったり、詰め物や被せ物などの処置をしている部位に歯垢が溜まりやすく、また長期間歯垢が付着した状態が続いてしまいます。

このような歯肉の炎症は、ほとんどの人に多少なりとも存在するのですが、炎症が歯肉だけにとどまっていれば、リンゴなどをかじる時に歯肉から出血する程度で咀嚼には支障ありません。しかし、歯肉の炎症が長期間続くと、歯と歯肉を連結させている歯肉中の結合組織(コラーゲン線維)が破壊され、歯と歯肉がはがれてきて歯周ポケットという歯と歯肉の隙間ができ、そこに歯石が沈着するようになります。そうなると、歯周組織の形態や機能が障害されていきます。また、長期間続いた炎症のために歯を支えている歯槽骨も破壊されて、歯がグラグラと動く様になり、放置すると自然に歯が抜けてしまいます。

このように歯槽膿漏の原因は、口の中を不潔にしたための歯肉の炎症ですが(局所原因)、炎症が深部へ波及し、歯周組織を破壊して歯槽膿漏をおこすかどうかは、歯肉に加わる刺激の大きさと持続時間、歯周組織の抵抗力の強弱によって違ってきます(全身的原因)。 局所原因は発炎因子(炎症をおこす因子)、全身原因は歯槽膿漏の促進因子と考えられていますが、いずれにしても局所原因が存在しなければ歯槽膿漏は発症しません。その局所原因は、大量の歯垢の停滞なのです。