正しい歯のみがき方3
子どもの場合
子どもの歯のみがき方としては、方法が簡単で清掃効果の良いフォーンズ法が適しています。別名を描円法ともいい、外側の上下の歯と歯肉を、連続して円を描くように同時にブラッシングするものです。但し、内側の歯はスクラッビング法で行ないます。
他にも色々なブラッシング法がありますが、要は歯の面全体をいかにきれいに保つことができるかで、あまり方法にとらわれることはありません。自分の歯ぐきの状態に合った方法を、歯科医師や歯科衛生士に相談し指導してもらうようにしましよう。
歯間部清掃用器具/歯みがき剤(歯磨き粉)など
正しい歯みがきを毎食後行なっていれば、歯垢はきれいにとれるものです。しかし、歯と歯の間に溜まった歯垢は、歯ブラシだけではなかなか除去できないため、各種の歯間部清掃用器具が必要になってきます。
歯間部の歯垢をとる器具には、絹糸(デンタルフロス)、歯間ブラシ、歯間刺激子、各種の水流式口腔洗浄器(ウォータービックなど)があります。これらはあくまでも歯ブラシの補助と考えるべきで、必ず歯科医師の指示に従って使用するようにしましよう。
歯みがき剤(歯磨き粉)には、ふつう炭酸カルシウムや界面活性剤などの研磨剤のほか、歯垢の沈着・定着を防ぐ成分が含まれています。しかし、歯みがき剤はブラッシングの補助剤であり、ブラッシングが不充分だと歯みがき剤の効果も発揮できません。
歯みがき剤を用いると、清掃効果が上がったり、歯をみがく時間が短縮できるという報告もありますが、正しいみがき方をすれば歯みがき剤を使っても使わなくても効果は同じというのが通説です。歯みがき剤の中には、研磨剤が多はに含まれているものがあって、長期間、必要以上に使用していると、歯が削れてくる磨耗症を引きおこすことがあります。特に、歯頸部(歯と歯肉の境)が楔状に削れてくることがあるので注意が必要です。また、歯みがき剤には芳香剤が含まれているため、爽快感や満足感が得られ、歯みがきが不充分のまま終わりにしてしまいがちな点にも注意しましよう。
歯みがきや食事の後に口をすすぐことは、歯垢のもとである食べカスを洗い流すのに有効な手段であり、その場合は含嗽剤を使用するのもよいでしょう。しかし、一旦付着してしまった歯垢は口をすすぐだけでは除去できず、やはり歯ブラシで歯をみがく様にしてください。
歯と歯肉の健康と食生活
文明食は柔らかい食べ物が多く、あまり噛む必要がありません。しかも糖質を多く含むこともあって、歯垢が歯に沈着しやすい傾向にあります。
ビタミンCやカルシウムを多く含む自然食品は、ロの中をきれいにする清掃食品です。不足しないよう積極的に摂取するようにしましょう。また、食物をよく噛むことが歯と歯肉の健康を保ち、アゴの正常な発育のために重要なことです。そのため、野生の動物は、歯をみがかなくても健康な歯と歯周組織をもっているのです。