上顎骨1

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上顎骨1

上顎骨1

上額骨構造

上顎骨は、その中心部に上顎洞を含む上顎体と4つの突起からなる。

上顎体は、前面(顔面部)、後面(側頭下部)、上面(眼窩面)、そして内面(鼻腔面)の 4面で構成されています。それは、上方に向かって突出する前頭突起、下方に向かって突出する歯槽突起、内方に向かって突出するロ蓋突起、外方に向かって突出する頬骨突起をもち、これら4つの突起で周囲の骨と結合して鼻腔、眼窩、骨ロ蓋で構成に関与している。

上顎骨の前面と後面は、頬骨歯槽稜によって区分され、この頬骨歯槽稜は、頬骨突起の先端から発生し、第一大臼歯の歯槽に向かって外下方に曲線を描きながら走行し、歯槽突起の基部に達すると消失する。また、この延長線は根間中隔に達する。とくに頬骨下稜で皮質壁の厚さが最も厚く(咀嚼応力が最も加わるところ)、理想的な補強構造としての存在意義が注目されるとともに、臨床的にも頬骨歯槽稜部とは洞最深部でほぼ一致していることなど、これらの形態学的特徴から、インプラント療法における上顎洞底挙上術(サイナスリフト)時のランドマークとしても利用されることが多い。

この頬骨下稜の延長線と上顎歯冠との関係は、乳歯列期ではほば第二乳臼歯の遠心半部にあるものが、永久歯の完全萌出時期では第一大臼歯の遠心半部まで後方移動する。このことからも、上顎臼歯部歯槽の前方移動を示す解剖学的指標と考えられる。

上顎骨前面

上顎骨前面の下方部が歯槽突起となり、歯根の外形をトレースするように形成された歯槽隆起の一連の膨隆がみられる。これらの隆起の上内側に切歯窩のくぼみがあり、この切歯窩のさらに外側には、ほぼ第二小臼歯の歯根上に一致して、より大きく深い大歯窩がみられる。その深さは個体差が大きく、大歯窩の出現は、比較解剖学的には上顎骨の縮小化を示す指標で、咀嚼力に耐える頭蓋の力学的補強構造の産物と推測ができる。

眼窩下管の開口部である眼窩下孔は、大歯窩の直上またはやや上外側に位置していることが多く、開口部位は咀嚼応力のひずみの掛らないところに一致している。眼窩下孔開口部の位置異常と、ときに副孔の存在は、臨床的には注意するようにする。

上顎骨後面

上顎骨体の後方の多少膨らんだ面は上顎結節とよばれ、側頭下窩の前方部分を構成し、上顎骨のなかで最も多くの海綿骨を有している。発育的には上顎骨成長の「要」の部分で、後方に骨添加し成長する。一方で顎骨の高度な吸収があっても、骨吸収の影響が比較的少ない部分でもある。埋伏歯がある場合は骨壁が非薄化し、潜在的弱点(骨折)となる場合がある。この部を覆う粘膜は、老化により線維が消失して萎縮性粘膜となると切開後の粘膜縫合に影響する。