歯肉炎とは
どんな病気か
ぞくに、歯茎と呼ばれている歯肉に炎症がおこった状態で、そのまま放置しておくと歯槽膿漏に進行してしまうことが非常に多く見られます。まだ、歯肉炎の段階であれば歯かグラグラと動いたりしないので歯槽膿漏とは区別し、歯肉炎といいます。若い人に多い口腔内の病気で、20~30%の人が多少なりとも自覚症状が無いまま、歯肉炎を起こしているといわれています。
症状
歯肉が赤く腫れ、触れると柔らかくなっています。リンゴをかじったり、歯を磨いた時に出血することがあります。慢性化してくると、これらの症状はあまり目立たなくなりますが、歯肉が増殖してくることがあります。
原因
毎食後の歯磨きを怠るなど、口の中を不潔にしていると、歯垢のなかの細菌が繁殖して歯茎に炎症を引き起こしてしまい歯肉炎が発症します。
歯と歯の間、虫歯の治療後の詰め物や被せ物の部分、歯の凹凸がある部分など、歯垢が溜まりやすく不潔になりやすい部位です。
歯垢が付着している部位などは歯磨きでは掃除しにくく、付着したその歯垢が固まり歯石となって沈着してしまうと、その刺激でいっそう歯肉炎かおこりやすくなります。
とくに糖尿病などで身体の抵抗力や免疫力が低下していたり、女性では妊娠している時におこりやすいので、そのような時は、とくに念入りに歯磨きをおこなうようにし、歯垢や歯石の付着・沈着を防ぐことが大切です。
また、ビタミンが欠乏すると歯肉から出血しやすくなりますので、積極的に新鮮な野菜や果物を摂取するようにしましょう。ダイランチンという鎮痛剤を服用しているときに、その副作用として歯肉が異常に増殖してくることがあります。
治療
症状が軽度の場合は、毎食後の正しい歯磨きで歯垢をしっかりと取り除き、歯石の沈着を防ぐことで、治療を行なわなくても自然に治る場合があります。
歯石が溜まってしまっている場合は、歯磨きでは歯石の除去はできませんので、歯科医院で除去してもらうようにしましょう。
歯肉の増殖がひどい場合には、手術をおこない、歯肉を整形することもあります。
また、糖尿病を患っていたり、薬剤が原因のときには、歯科医での治療のほかに、それぞれの病気の専門医と連携をとり、症状に合わせた治療が必要になることもあります。
いずれにしろ、 毎食後の歯磨きをしっかり行い、歯肉炎の段階で正しい治療をしっかりと行っておくことが、歯槽膿漏(歯周病)を予防するうえでとても大切です。