歯と歯肉の仕組みと働き2
歯肉の仕組みと働き
歯肉の中の埋まっている歯の部分は、歯槽骨というアゴの骨の間にすっぼりとおさまっています。
この歯槽骨と歯の表面を覆っているセメント質の間には、強い線維の束からできている歯根膜という組織が存在し、セメント質と歯槽骨とをしつかりと結び合わせています。
セメント質、歯根膜、歯槽骨といった組織の上を覆っているのが歯肉です。歯肉は、覆うことでこれらの組織を保護する一方、歯並びを正常に保つ働きもしています。また歯肉は、食べ物を咬んでいるときに、歯の間からあふれ出た食べ物が接触するとその性状を感知し、例えば尖った魚の骨などの危険物があるとそれを発見する働きもしています。
そのほか、歯と歯の間の三角形に盛り上がった歯肉の部分を歯間乳頭といいますが、この部分は、食べ物などが歯と歯の間に挟まるのを防いでいます。
健康な歯肉は、艶のある綺麗なビンク色をしていて、引き締まっています。黒ずんだりして歯肉の色が変色してきたり、ビヨブヨしてきた時は歯肉に何らかの病気がおこっていると考えてよいでしょう。
歯と歯肉の間はびったりと塞がれているのが正常の状態で、ここに隙間(歯肉溝/ポケット)ができると歯石などが溜まりやすく、歯や歯肉の病気を起こす原因となってしまいます。
歯周組織とは
結局、歯はセメント質、歯根膜、歯槽骨、歯肉といった 周囲の組織に支えられて固定されていることになります。これらの歯を固定している支持組織を歯周組織と総称しています。ここで起こった病気を歯周疾患と呼んでいますが、その代表が歯槽膿漏です。
歯垢と歯石
歯に付着した食べカスに、細菌が繁殖したものを歯垢といいます。歯垢には色々な種類の細菌が含まれていますが、 そのうちのストレプトコッカス・ミュータンスという細菌が歯を溶かしてしまうのが虫歯です。歯垢は歯に粘り付いていて、口をすすいだり、軽く歯を磨いた程度では取れません。毎食後、正しい歯磨きを行なって掃除することが必要です。歯垢は、磨きにくい下アゴの前歯の舌側や上アゴと下アゴの大臼歯の頬側に溜まりやすい傾力があるので、特に念人りに磨くことが大切です。
この歯垢に、唾液中のカルンウムや燐が沈着してできた硬い石のよう塊が歯石で、口臭の原因になるばかりでなく、歯肉を刺激し歯槽膿漏をおこす大きな原因になります。
歯石は、いくら歯を磨いても除去することはできませんので、歯と歯肉の健康のためには、年に1~2回程度歯科医院で定期検診を受け、歯石を除去してもらうようにして下さい。