義歯(入れ歯)の知識1
歯槽膿漏などの口腔内の病気やケガなどで多数の歯が抜けてしまうと、食物をよく噛めなくなり、発音も正しくできなくなってしまいます。また、顔の肉も落ちてしまい顔の印象も変わってきてしまいます。これはアゴの骨が痩せてしまい、アゴの骨の高さが低くなり歯肉が痩せてるからです。
1~2本の歯が抜けたぐらいでは、あまり影響が少ないと考えがちですが、抜けた分だけ両隣の歯に重い負担が掛るようになってしまい、そのせいで通常よりも早く歯が消耗することになります。
このようなことが起こらないようにするのが義歯(入れ歯)です。
義歯の種類
【全部床義歯(総義歯)】
歯が全部技けたときに入れる義歯で、自由に取り外しができます。
固定はしていないのですが、食物を噛んだり、話したり、笑ったりしても外れることはありません。これは、義歯の床が歯肉の粘膜ピッタリと合うように作られているため、毛細(管)現象によって床と粘膜の間に唾液が人りこんで接着剤のような働きをするからです。
【部分床義歯(部分入れ歯)】
一部の歯は残っているが、多数の歯が抜けてしまったときに人れる義歯て、この入れ歯も取り外しができます。
残存している歯に金属のバネなどを掛けて義歯を保特するもので、噛むカは、バネを掛けた歯と歯が抜けた部分の粘膜とで受けもつので、バネを掛けた歯がしつかりしているかどうかが義歯の保持に大きく影響します。しっかりとした義歯を人れるためには、残っている歯は一本でも多く大事にしておくことが非常に重要です。
残った歯にバネを掛ける代わりに、歯に二重の金冠を被せて義歯を保持する方法もあります。外にバネ露出しないため、天然の歯と同じ形や色をしていて外観もよく、義歯の保持もよいので、最近の義歯の治療に多く用いられるようになりました。やはり、この場合も残った歯がしっかりしているかどうかが義歯の保持に影響します。
【橋義歯(ブリッジ)】
1~3本程度の歯が抜けたときに入れる義歯で、患者自身で取り外しはできません。抜けた歯の両隣の歯を土台(支台歯)にして、橋をかけるようにして抜けた歯の部分にセラミックやレジンなどで作成した歯を使用したり、金属で作成したものを使用したりして噛めるようにします。
支台歯をセメントで固定するので異物感が少なく、また前歯は歯を完全に覆った冠(金属冠、セラミック冠) や継続歯で作成するので、外からは自然の歯のように見え、しかも天然歯と同じように噛むことができます。歯のない部分の噛む力を他の歯全体で負担するため、両側にしつかりとした支台歯がないと装着できません。また、最後部の臼歯が抜けた場合も原則として作成することができません。