正しい歯のみがき方1
虫歯や歯ぐきの病気(歯肉炎、歯槽膿漏、歯周病など)のほとんどは、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)が原因となっております。したがって、正しい歯みがきで歯垢をとり除き、ロのなかをいつも清潔にしておくこと(プラークコントロール)は、歯と歯ぐきを健康に保つために最も大切なことです。
朝食後は必ず歯をみがく
誰でも一日に一回は歯をみがくでしょうが、ほとんどの人は朝起きてすぐ、朝食の前にみがく方が多いようです。これでは、いくら丁寧にみがいても、その後の食事で歯が汚れてしまい、しかも歯に付着した歯垢が翌日の朝まで持ち越されてしまいますので、せっかくの歯みがきの効果が発揮されません。
歯垢は、いったん付着すると、簡単には除去することができないので、歯みがきは毎食後、すぐに行なう習慣をつけるようにしましょう。できれば食事の後だけでなく、間食をした後にも歯みがきをする習慣をつけておくと理想的です。
歯をみがく時間は最低でも3分間は行ってください。1日のうち1回は(例えば就寝前などの時間に余裕のあるときに)、少なくとも10分間以上かけて、正しいブラッシング法で、隅々までしっかりと丁寧に磨くようにしましょう。
大切な歯ぐきのマッサージ
歯みがきには、歯垢をとり除くという目的のほかに、歯ぐきのマッサージという大切な目的もあります。歯ブラシで歯肉をよくマッサージすると、血行が良くなり歯ぐきが引き締まり、健康的なビンク色になってきます。これは、歯肉に刺激を与えることにより血液の循環がよくなり、歯や歯肉の付着した細菌に対する抵抗力も高まるからです。
特に歯槽膿漏の場合、治療の基本はブラッシングによる歯肉のマッサージであり、正しい歯みがきを続けてるうちに歯肉の炎症はおさまり、初期の歯槽膿漏なら完全に進行を抑えることができます。
間違った歯のみがき方は危険
毎食後必ず歯をみがいていても、虫歯や歯ぐきなど口腔内の病気になることが多くみられます。これは、歯のみがき方に問題があるからで、歯をみがいた後、歯垢染色剤(歯垢に反応して色が出る薬)で歯を染めてみると、多量の歯垢が残って沈着しているのがはっきりわかります。丁寧にみがいたつもりでも、歯の裏側や歯と歯の間、歯の生え際などは充分にみがかれていないことが多くあるのです。
間違った歯みがきを続けると、歯垢がきれいに取れないばかりか、必要以上に歯を研磨してしまい、歯ぐきに傷が付いたり、歯頸部(歯の生え際)に楔状の欠損が出来る磨耗症の原因にもなり、その欠損が主歯の原因となってしまう場合があります。