歯髄炎とは
どんな病気か
C1、C2の軽度の虫歯から引き続いて起こる病気で、歯髄(歯の中心部にある神経や血管の通っている部位)に細菌が入り込み、感染して炎症をおこしたものです。
症状
急性で軽い場合は、冷たい飲み物や食べ物、冷たい空気などのちょっとした刺激で痛みを感じることがありますが、こういった場合は一過性ですぐに痛みが治まってしまう場合があります。症状が中度に進行してくると、温かい飲み物を飲んでもズキズキと耐えがたい痛みが定期的に繰り返し起こり、さらに症状が悪化してくると常時痛みが続くようになります。なかには、普段は激痛がなくて、虫歯の孔に食べ物が入ってきた時に痛む慢性の歯髄炎もあります。慢性になると、痛んでは自然に治まることをくり返すようになります。
原因
一番多いとされる原因は、虫歯を治療せず放置してしまったため、エナメル質に孔があき、その下の象牙質が崩壊して歯髄にまで達する孔があいてしまい、歯髄が虫歯の細菌に感染して炎症をおこすものです。
激痛がおこるのは、歯髄が炎症をおこし、歯髄のなかに通っている血管が拡張し、充血して血液量が増えるからです。歯髄は硬い象牙質で囲まれているため、血液量が増加すると、歯髄内の内圧が高まり、神経線維が血管に強く圧迫されて痛みがおこります。 深く孔のあいた虫歯や虫歯を治療した歯が、冷たい飲み物などに敏感に反応して痛んだり、就寝時に痛んだりする時は、歯髄炎と考え、出来るだけ早急に歯科医院での治療を受けましょう。
治療
痛みのある患部に局所麻酔をして、歯髄を取り除き(抜髄)ます。歯髄が通っていた患部に薬剤を詰めて塞ぎ(根管充填)、孔のあいた歯にインレー(詰め物)やクラウン(被せ物)などの終末処置をおこない咬めるように機能回復の治療をします。患部の症状や状態にもよりますが、治療が完全に終了するまでは少なくても5~6回の通院が必要となります。
激しく痛む時は、市販の鎮痛剤を内服することで一時的に痛みが治まることもあります。しかし、これはあくまでも一時的で歯髄炎は自然に治癒することはありません。痛みが治まったからと治療をせず、市販薬を服用するようなことをくり返していると病状が進行、悪化しさらに深刻な歯根膜炎を引き起こす可能性があります。 出来るだけ早期に歯科医院で治療を受けるようにしましょう。